著者
五十嵐 保 中村 元
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.195-203, 2005-04-25
被引用文献数
3

清涼飲料水等の缶は適量の飲料水があれば傾き角46°&acd;53°で斜めに立つ.缶底部の外周に深い絞りがあり, 2点支持となりバランスする.なお, 缶が満タンでも空でも缶は倒れる.本報告では, この缶が斜めに立つ安定解析を行った.缶の形状は複雑なので, 簡単な形状の有限長円筒にモデル化した.缶の直径d, 高さhと重さmおよび缶の重心高さh_Gと傾斜角Φを与えた.缶が斜めに立つための条件式と飲料水の最小容積V_<min>および最大容積V_<max>を解析より求め, 上述の変数で記述した.各種缶の解析結果は実験値とよく致した.
著者
飯田 明由 岩崎 正志 水野 明哲
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.543-551, 2006-12-25

鳥人間用滑空機の設計製作はものづくり教育のひとつとして効果的であるが,事前に飛行テストを行うことが難しいこと,設計要素が多岐にわたることなどから設計の最適化が難しいという問題があった.本研究では,鳥人間用滑空機の設計の最適化を図るため,滑空機の三次元飛翔解析プログラムと遺伝的アルゴリズムを用いた最適化手法について検討した.主翼,尾翼の寸法,機体長さなどの8つの設計変数と飛び出し時の速度や飛び出し角度を遺伝情報化し,飛行距離を目的関数として遺伝的アルゴリズムを用いて解析を行った.各世代の個体数を200とし,50世代にわたり解析を行い,飛翔性能に強く関係する優性遺伝子を抽出した.解析によって得られた結果を用いて外乱に強い機体の設計を行い,コンテストで確実に飛行する機体を提案した.提案されたモデルは2005年度の鳥人間コンテストで4位に入賞,審査員特別賞を受賞し,遺伝的アルゴリズムによる最適化の有効性を確認した.
著者
豊田 英司
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.329-334, 1996-08-31
著者
福本 康秀
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.265-280, 2006-06-25
参考文献数
40
被引用文献数
8
著者
宮嵜 武 高橋 直也
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.503-504, 2002-12-25
被引用文献数
5
著者
及川 正行
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.195-205, 2012-04-25

本連載では非線形波動,とくにソリトンについて基本的な事柄を解説する.ソリトンは流体力学にも現れるが,物性,宇宙,生物など様々な分野でも現れる.いまやいろいろな分野で基礎的知識あるいは常識となっているから若い人がソリトンを学んでおくのは悪くないであろう.また,ソリトンは1965年に発見され,1970年代前半に急激に理論が発展したが,この新しい学問分野の発展の歴史は大変興味深い.それを垣間見るのも若い人たちにはよい教訓になるかもしれない.さらに,ソリトンは数学の様々な分野に関係しているから,あまり自分には関係ないと思っていた数学の分野に関心を持つ契機になるかもしれない.そのようなことを期待してこの連載をはじめたい.ソリトン理論(数学では可積分系と呼ばれたりする)は広大で多岐にわたるので,全体像を示すのは難しいし,私にできることでもない.そこで,この連載では基本的な事柄にかぎる.最近,我が国では離散系の研究が盛んであるが,離散系は戸田格子などに限定する.モデルはなるべく流体からとることにするが,そうでない場合もある.例えば,戸田格子は流体とは関係ないが重要なので取り上げる.この第1章は主としてソリトンの発見と初期の発展に関係している.第2章以降の予定としては次のようなことを考えている.第2章 双曲型方程式と特性曲線,線形分散波 第3章 KdV方程式 第4章 非線形シュレディンガー方程式 第5章 逆散乱法 第6章 広田の方法 第7章 佐藤理論 第8章 KP方程式の解について-空間2次元の例
著者
李家 賢一
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.15-22, 2003-02-25
被引用文献数
4
著者
上之 和人
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.381-389, 2006-08-25
被引用文献数
1

つららの表面を流れ落ちる過冷却状態の薄い水膜からの氷の成長の際に,表面に約1cmのリング状の波模様が現れる.この現象を,自由表面をもつシアー流れのある薄い液膜からの結晶成長過程における固液界面の形態不安定性の問題として扱う.界面の線形安定性解析により,波模様の波長を定量的に求め,波模様形成の新しいメカニズムを提唱する.
著者
原 政之 日下 博幸 木村 富士男 若月 泰孝
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.353-361, 2010-10-25
被引用文献数
1

過去100年間における全球平均の地上気温上昇は0.66℃である一方,東京の地上気温上昇は約3℃である.この違いの原因は,この間に顕著になった都市ヒートアイランドによる影響が大きい.都市ヒートアイランドによる地上気温の上昇は,冬季に最大となる.本研究では,都市キャノピーモデルを含む高解像度領域気候モデルWRFを用いて過去気候の再現実験を実施し,さらに擬似温暖化手法を用いて,SRES A2における2070年代を想定した将来気候実験を行った.これらから全球規模の気候変動が冬の東京都市圏における都市ヒートアイランド強度(Urban Heat Island Intensity;UHII)に与える影響を評価した.その結果,気候変動によって,夜間のUHIIは約20%以上強まることが示唆された.
著者
増倉 秀一 端浦 宏俊 長谷 隆
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.55-63, 2009-02-25

速度制限区間を設けた場合の交通流への影響を研究する.二車線交通モデルでは車線変更を考慮した拡張最適速度モデルを適用する.速度制限区間を設けることによって交通状態や交通特性は大きく変化する.速度制限区間を設けた一車線交通は自由流,飽和流,混雑流と三つの異なる交通状態を示す.二車線交通においては車線変更条件を考慮すると交通状態は六つの領域に分けられる.一車線ならびに二車線交通では渋滞が発生する密度で交通流量が飽和し,速度制限区間の手前に不連続面が発生する.この不連続面前後の車間距離間の関係を明らかにした.
著者
石向 桂一 大西 直文 澤田 恵介
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.515-523, 2005-10-25
被引用文献数
2

近年, DengらによってWeighted Compact Nonlinear Scheme (WCNS)と呼ばれる高次精度スキームが開発された.このWCNSは, 数値振動を生じることなく衝撃波を単調に捉えることができるため, 陰的LESに適用できると考えられる.本研究では, WCNSを用いた陰的LESによりBurgers乱流の数値計算を行い, エネルギースペクトルを求めた.得られたエネルギースペクトルはDNSの結果と良い一致を示したが, 従来型のLESでは, 高波数域に非物理的な振る舞いが現れた.